パラレルワーカーとして働くメリットとデメリット

目次

複数の本業を持つ生き方のリアルと生存戦略

深夜2時、Slackの通知音が鳴った。クライアントA社からの緊急修正依頼だ。明日の朝までに対応してほしいとのこと。でも明日は本業のB社で重要なミーティングがある。そして午後にはC社の案件の締め切りも控えている。

僕がパラレルワーカーとして3つの案件を同時に抱えていたときの、リアルな一コマだ。正直に言うと、この働き方を始めた当初は「収入が増える」「スキルアップできる」といったメリットばかり見えていた。でも実際にやってみると、想像以上に大変なこともたくさんあったんですよ。

僕自身が10年以上エンジニアとして働き、パラレルワーカーという働き方を実践してきた経験から、そのメリットとデメリットをリアルに語っていきます。これからパラレルワーカーを目指す人、すでに始めているけど悩んでいる人に、少しでも参考になればと思います。

パラレルワーカーって何なのか

パラレルワーカーというのは、複数の仕事を並行して持つ働き方のことだ。副業とはちょっと違う。副業は「メインの本業があって、サブで別の仕事をする」というニュアンスなんだけど、パラレルワークは「どれもメイン」という感覚なんですよね。

僕がメンターとして相談を受けるとき、よく聞かれるのが「副業とどう違うんですか」という質問。これ、めちゃくちゃ重要なポイントなんですよ。

副業の場合、例えば月曜から金曜まで会社員として働いて、土日にクラウドソーシングで案件を受ける。これは典型的な副業のスタイルだ。収入の軸は会社の給料で、副業はあくまで「プラスアルファ」という位置づけ。

でもパラレルワークは違う。例えば週3日A社でエンジニアとして働き、残りの2日はB社でコンサルをして、さらに個人でWeb制作の案件も受ける。どの仕事も対等な関係で、どれか一つが「メイン」というわけじゃない。

実際、僕が今関わっている案件は3つある。どれも同じくらいの時間と労力を使っているし、収入的にもバランスが取れている。これがパラレルワークの本質だと思うんですよ。

パソコンと資料を前に複数のプロジェクトを同時進行する様子の線画イラスト

ちなみに、このパラレルワーカーという働き方が注目され始めたのは、ここ数年のこと。終身雇用制度が崩壊しつつある今、一つの会社に依存するリスクが高まっている。2020年のコロナ禍でリモートワークが普及したことも、この働き方を後押ししたんですよね。

僕がこの働き方を始めたのは5年前。当時勤めていた会社が業績不振で、給料が減額された。そのとき初めて「会社に依存するのって怖いな」と実感した。それからフリーランスとして独立し、複数のクライアントと契約を結ぶようになったんです。

パラレルワーカーのメリットを現場目線で語る

まずはメリットから話していこう。これは本当に大きい。僕がパラレルワーカーになって良かったと心から思える部分だ。

収入源が分散されるという安心感

一番のメリットは、やっぱり収入のリスク分散だよね。これは実際に経験しないと分からない安心感がある。

2年前、僕が担当していたクライアントの一つが突然プロジェクトを中止した。もし会社員として一つの収入源しかなかったら、これは致命的な状況だった。でも幸いなことに、他に2つの収入源があったから、生活に困ることはなかった。

具体的な数字で言うと、僕の場合は3つの案件でそれぞれ月25万円、20万円、15万円くらいの収入がある。合計で月60万円。もし一つの案件がなくなっても、残り40万円は確保できる計算だ。

これって会社員時代には考えられなかった安心感なんですよ。当時の給料は月35万円だったけど、会社がなくなったらゼロになる。その恐怖と比べたら、今の方がずっと安定していると感じる。

ただし、ここで勘違いしてほしくないのは「簡単に収入が増える」わけじゃないということ。最初の1年は本当に大変だった。収入も会社員時代より少なかったし、案件獲得のために必死で営業もした。

スキルの幅が圧倒的に広がる

二つ目のメリットは、スキルアップのスピードが段違いだということ。これは本当に実感している。

会社員時代、僕はバックエンドのエンジニアだった。でもパラレルワーカーになってからは、フロントエンド、インフラ、データベース設計、プロジェクトマネジメントまで手を広げた。なぜなら、複数のクライアントがそれぞれ違うニーズを持っているから。

複数のスキルを表現する様子の線画イラスト

例えばA社ではReactを使ったフロントエンド開発、B社ではNode.jsでAPI開発、C社ではAWSのインフラ構築を担当している。これだけ幅広い経験を、一つの会社で積むのは難しいよね。

特に面白いのは、一つの案件で学んだことを他の案件でも活かせるということ。A社で学んだReactの知識を、B社の案件でも提案できる。するとB社からも「それ、うちでも導入したい」と言われて、新しい仕事につながる。

このサイクルが回り始めると、スキルアップと収入アップが同時に実現できるんですよ。

人脈が広がり続ける

三つ目は、人脈の広がりだ。これは思わぬ副産物だった。

会社員時代は、どうしても社内の人間関係が中心になる。外部との接点は限られているし、業界の横のつながりもあまりなかった。

でもパラレルワーカーになってからは、毎月のように新しい人と出会う。クライアント企業の経営者、他のフリーランス、スタートアップの創業者。本当に多様な人たちと関わるようになった。

この人脈が、また新しい仕事を生み出すんですよね。例えば、A社で知り合った経営者から「うちの知り合いの会社でエンジニア探してるんだけど」と紹介されて、新しい案件につながったことが何度もある。

人脈は資産だと言うけど、パラレルワーカーとして働くとその意味が本当によく分かる。

時間の使い方を自分で決められる

四つ目のメリットは、時間の自由度が高いこと。これは会社員時代には考えられなかった働き方だ。

例えば、午前中は集中力が高いから難しいコーディング作業をする。昼過ぎはミーティング。夕方は軽めのタスクをこなす。そして夜は完全にオフ。こういう働き方が可能になった。

もちろん、クライアントとの約束や締め切りは守らなきゃいけない。でも「9時から18時まで会社にいなきゃいけない」という縛りはない。この自由度は本当に大きい。

子供の学校行事に参加したり、平日の昼間にジムに行ったり、混んでない時間帯に買い物したり。こういう小さな幸せが、生活の質を大きく上げてくれるんですよ。

視野が広がって世界が変わる

最後に、これは少し抽象的な話になるけど、視野が圧倒的に広がるというメリットがある。

一つの会社にいると、どうしてもその会社の価値観や文化に染まっていく。それが悪いわけじゃないけど、世界がその会社の中で完結してしまう。

でも複数の組織と関わると、それぞれの企業文化、仕事の進め方、意思決定のプロセスを体験できる。A社では慎重に時間をかけて決めることが、B社では即断即決で進む。この違いを体験すると、「正解は一つじゃない」ということが理解できるんですよね。

この視野の広さは、エンジニアとしての提案力にも直結する。色々な企業のやり方を知っているから、「こういう方法もありますよ」と提案できる幅が広がる。

パラレルワーカーのデメリットと向き合う

ここまでメリットを語ってきたけど、正直に言うとデメリットもかなり大きい。これを知らないでパラレルワーカーになると、確実に失敗する。僕自身も何度も失敗してきたから、リアルな話をしていきます。

タイムマネジメントが死ぬほど難しい

一番のデメリットは、時間管理の難しさだ。これは本当に甘く見てはいけない。

冒頭で話した深夜2時のSlack通知の話を思い出してほしい。あのとき、僕は本当にパニックになった。翌日は本業のミーティング、午後にはC社の締め切り、そして今A社から緊急対応の依頼。どれも断れない。

深夜にパソコンの前で疲れた表情でスケジュールを確認する様子の線画イラスト

結局、その日は徹夜で対応した。翌日のミーティングは睡眠不足で頭が回らず、C社の締め切りは1日遅れることになった。C社には正直に事情を説明して謝罪したけど、信頼を失いかけたのは事実だ。

パラレルワーカーは、複数のプロジェクトのタイムラインを全て頭に入れておかなきゃいけない。Googleカレンダー、Trello、Notionなど、あらゆるツールを使って管理しているけど、それでもミスは起きる。

特に厄介なのは、複数の案件で同時に問題が発生したとき。これは本当に地獄だ。優先順位をつけて、どれから対応するか瞬時に判断しなきゃいけない。この判断を間違えると、クライアントとの信頼関係が崩れる。

働きすぎて体調を崩すリスク

二つ目のデメリットは、過労のリスクだ。これは僕も経験した。

パラレルワーカーを始めて1年目、僕は月に300時間以上働いていた。単純計算で1日10時間、週7日働いている状態。休日なんてほとんどなかった。

当時は「収入を増やさなきゃ」という焦りがあった。でも体は正直だ。3か月目くらいから、朝起きるのが辛くなり、集中力も続かなくなった。そして半年後、ついに体調を崩して2週間寝込んだ。

この2週間で失った収入と信頼は、計り知れない。A社の案件は納期に間に合わず、B社のミーティングもキャンセルせざるを得なかった。「こんなに頑張っているのに」と思ったけど、頑張りすぎることが問題だったんだよね。

それ以降、僕は働く時間を厳密に管理するようにした。1日8時間まで、週末は完全にオフ。この制限を設けたことで、逆に生産性が上がった。休むことも仕事のうちなんだと、身をもって学んだ。

専門性が浅くなる可能性

三つ目のデメリットは、スキルが広く浅くなってしまうリスク。これは意外と見落とされがちなポイントだ。

一つの会社で一つの技術を深く極めることと、複数の案件で色々な技術に手を出すこと。どちらが良いかは一概には言えない。でも確実に言えるのは、パラレルワーカーは深い専門性を持ちにくいということ。

例えば、僕の友人は一つの会社でずっとデータベース設計をやっている。彼は本当にその分野のスペシャリストで、業界でも名前が知られている。一方、僕は色々な技術を使えるけど、どれも「そこそこできる」レベル。

これはパラレルワーカーの宿命かもしれない。広く浅くなることで汎用性は上がるけど、特定の分野での深い専門性は犠牲になる。

だから僕は今、意識的に「得意分野」を作るようにしている。僕の場合は、Node.jsとAWSを中心に深掘りしている。広く浅くなりすぎないための対策だ。

確定申告と税金の管理が面倒すぎる

四つ目のデメリットは、税金関係の煩雑さ。これは会社員時代には考えもしなかった問題だ。

パラレルワーカーになると、複数の収入源を自分で管理しなきゃいけない。年間20万円以上の所得があれば確定申告が必要になる。僕の場合、3つのクライアントから合計で年間700万円くらいの収入がある。

確定申告って、最初は本当に訳が分からなかった。所得税、住民税、消費税、事業税。色々な税金があって、それぞれの計算方法も違う。経費の計上も難しい。パソコンは経費になる。でも全額じゃなくて按分が必要。インターネット代も一部は経費。でもプライベートとの境界が曖昧。

確定申告の書類と領収書に囲まれて頭を抱える様子の線画イラスト

最初の年は自分で全部やろうとして、確定申告の期限ギリギリまで悪戦苦闘した。結局、税理士に相談することにしたんだけど、それも費用がかかる。年間10万円くらいは税理士費用として見ておかなきゃいけない。

ちなみに、複数の会社から給与をもらっている場合は、全部合算して確定申告する必要がある。A社で源泉徴収されていても、B社とC社の収入を含めて再計算しなきゃいけないんですよ。

社会的な信用が得にくい

最後のデメリットは、社会的な信用の問題。これは意外と大きい。

会社員だと「○○株式会社の正社員です」と言えば、それだけで一定の信用がある。でもパラレルワーカーやフリーランスだと、その信用を一から作らなきゃいけない。

具体的に困ったのは、住宅ローンを組むとき。銀行の審査が厳しくて、収入証明書や確定申告書を何枚も提出させられた。会社員なら源泉徴収票1枚で済むのに。

クレジットカードの審査も同じ。フリーランスというだけで、審査に落ちることもある。社会の制度が、まだパラレルワーカーやフリーランスに対応しきれていないんですよね。

パラレルワーカーに必要なスキルとマインド

ここまでメリットとデメリットを語ってきた。それを踏まえて、パラレルワーカーとして成功するために必要なスキルとマインドについて話していきます。

タスク管理能力は生命線

まず絶対に必要なのが、タスク管理能力。これがないと確実に失敗する。

僕が使っているのは、Googleカレンダー、Trello、Notionの3つ。Googleカレンダーでは、全てのミーティングと締め切りを管理。色分けして、A社は青、B社は赤、C社は緑というふうに視覚的に分かりやすくしている。

Trelloでは、各プロジェクトのタスクをカンバン方式で管理。「今日やること」「今週やること」「来週以降」とボードを分けている。毎朝このボードを見て、優先順位を確認するのが習慣になっている。

Notionは、案件ごとの詳細な情報を管理するのに使っている。クライアントの連絡先、契約内容、過去のやり取り、技術的なメモなど、全てをNotionに集約している。

でも、ツールはあくまでツール。大事なのは「自分がどれだけの仕事を抱えているか」を常に把握していることだ。キャパシティを超えた仕事を受けてしまうと、全てが崩れる。

コミュニケーション能力が差を生む

次に重要なのが、コミュニケーション能力。これは技術力と同じくらい大事だと思う。

パラレルワーカーは、複数のクライアントと同時にやり取りする。それぞれのクライアントが求めるコミュニケーションスタイルも違う。A社は毎日の進捗報告を求めるけど、B社は週次でOK。C社はSlackでカジュアルなやり取りを好むけど、A社はメールで丁寧に。

この違いを理解して、それぞれに合わせたコミュニケーションを取らなきゃいけない。これが意外と大変なんですよ。

特に大事なのは、問題が起きたときの報告。先延ばしにせず、すぐに相談する。「締め切りに間に合わないかもしれません」と早めに言うことで、クライアントも対策を考えられる。

クライアントとのオンラインミーティングの様子の線画イラスト

僕が失敗したのは、問題を一人で抱え込んでしまったとき。C社の案件で技術的な問題にぶつかって、でも「自分で何とかしなきゃ」と思って1週間悩んだ。結局解決できず、納期を大幅に遅らせてしまった。

最初から相談していれば、C社の方で別の解決策を提案してくれたかもしれない。一人で抱え込まずに、オープンにコミュニケーションを取ることが本当に大事だ。

自己管理能力こそが全て

三つ目は、自己管理能力。これはタスク管理とは違う、もっと根本的な能力だ。

パラレルワーカーには上司がいない。誰も管理してくれないし、監視してくれない。全て自分で自分を律しなきゃいけない。

朝起きる時間、仕事を始める時間、休憩を取るタイミング、終業時間。全部自分で決めて、自分で守る。これができないと、どんどんルーズになっていく。

僕が実践しているのは、毎朝のルーティン。7時に起きて、軽く運動して、シャワーを浴びて、朝食を取る。そして9時から仕事を始める。このルーティンを守ることで、生活リズムが崩れないようにしている。

あと大事なのは、休むこと。働きすぎないように、意識的に休憩を取る。1時間働いたら10分休憩。ランチはしっかり1時間取る。そして18時には仕事を終える。

この自己管理ができないと、パラレルワーカーとして長く続けることは難しい。

専門スキルは最低条件

最後に、これは当たり前だけど、専門的なスキルは必須だ。パラレルワーカーとして複数のクライアントから仕事をもらうには、それだけの価値を提供できなきゃいけない。

エンジニアなら、少なくとも2つ以上の言語やフレームワークを使えること。フロントエンドとバックエンドの両方ができると、案件の幅が広がる。インフラの知識もあるとさらに良い。

ただし、全てを完璧にできる必要はない。「そこそこできる」レベルで十分。重要なのは、分からないことを調べて、学んで、実装できる力だ。

僕も最初からReactができたわけじゃない。A社から「Reactで開発してほしい」と言われて、必死に学んだ。公式ドキュメントを読んで、Udemyで講座を受けて、とにかく手を動かして覚えた。

この「学ぶ力」こそが、パラレルワーカーに必要な専門スキルの本質だと思う。

パラレルワーカーになる具体的なステップ

ここからは、実際にパラレルワーカーになるための具体的なステップを紹介していきます。僕自身が辿ってきた道のりと、メンターとして見てきた成功例を元にしています。

まずは副業から始めるのが鉄則

いきなり会社を辞めてパラレルワーカーになるのは、正直おすすめしない。僕も最初は副業から始めた。

会社員として働きながら、週末や平日の夜に小さな案件を受ける。これで実績を作り、収入の見込みが立ってから独立する。このステップが一番リスクが少ない。

具体的には、クラウドワークスやランサーズで小さな案件から始める。最初は単価が安くても気にしない。大事なのは実績と評価を積み上げること。

僕の場合、最初の案件は5万円のWordPressサイト制作だった。時給換算したら1000円くらい。でもこの案件で良い評価をもらって、次は10万円の案件を受けられた。

半年くらい副業を続けて、月に10万円くらい安定して稼げるようになった。そこで初めて「独立してもいけるかも」と思えた。

ポートフォリオとSNSでの発信

二つ目のステップは、ポートフォリオの作成とSNSでの発信だ。これは本当に大事。

パラレルワーカーは、自分を売り込まなきゃいけない。その武器がポートフォリオとSNS。僕はGitHubに自分のコードを公開して、個人サイトで実績を紹介している。

TwitterやQiitaでも技術的な知見を発信している。これが意外と効果的で、僕のツイートを見てDMで仕事の相談が来ることもある。

デスクでポートフォリオサイトを作成している様子の線画イラスト

ポートフォリオで大事なのは、見栄えよりも内容。どんな技術を使って、どんな問題を解決したか。具体的に書くことで、クライアントは「この人なら任せられる」と判断できる。

最初のクライアントは人脈から

三つ目のステップは、最初のクライアントを見つけること。これは人脈を使うのが一番早い。

僕の場合、最初のクライアントは前職の取引先だった。会社員時代に関わっていたプロジェクトで、退職後も個人として契約してもらえた。

もし前職の関係でクライアントが見つからない場合は、知り合いに声をかける。「フリーランスとして独立したので、もし何か手伝えることがあれば」と。意外と「ちょうど探してたんだよ」という返事が返ってくることもある。

オンラインコミュニティやミートアップに参加するのも良い方法だ。エンジニアのコミュニティに顔を出して、自分のスキルをアピールする。そこから仕事につながることも多い。

契約内容は細かく確認する

四つ目のステップは、契約を結ぶときの注意点。これは本当に大事だから、慎重にやってほしい。

契約書には、業務内容、報酬、支払い条件、納期、著作権、機密保持など、色々な項目がある。これを一つ一つ確認して、曖昧な部分は必ず質問する。

特に注意すべきは、業務の範囲。「Webサイトの制作」といっても、デザインは含まれるのか、サーバーの構築は含まれるのか。これが曖昧だと、後でトラブルになる。

僕が失敗したのは、「修正は何回まで無料か」を確認しなかったこと。クライアントは「何度でも修正してくれる」と思っていて、僕は「2回まで」と思っていた。結局、追加料金なしで5回も修正することになった。

こういうトラブルを避けるために、契約書は慎重に確認する。不安なら、弁護士や先輩フリーランスに相談するのも良い。

複数の案件を同時に持つタイミング

最後のステップは、複数の案件を同時に持つタイミング。これが一番難しい。

僕の経験から言うと、一つの案件が安定してから次の案件を取るべきだ。最初から3つも4つも抱えると、確実にパンクする。

まず一つの案件で月20万円くらい安定して稼げるようになる。そこで初めて、二つ目の案件を探す。二つ目も軌道に乗ったら、三つ目を考える。

このステップを踏むことで、リスクを最小限に抑えられる。僕も最初の1年は一つの案件だけに集中した。それが安定してから、二つ目、三つ目と増やしていった。

よくある質問に答える

ここからは、僕がメンターとして相談を受けるときによく聞かれる質問に答えていきます。

パラレルワーカーに向いている人は

まず「自分はパラレルワーカーに向いているか」という質問。これは正直、やってみないと分からない部分もある。でもいくつか目安はある。

向いているのは、自己管理ができる人。上司がいなくても自分で仕事を進められる人。一人で黙々と作業するのが苦にならない人。

逆に向いていないのは、指示されないと動けない人。チームで働くのが好きな人。安定志向が強い人。

ただし、これも絶対じゃない。僕も最初は自己管理が苦手だったけど、やっているうちにできるようになった。大事なのは、学ぶ意欲と適応力だと思う。

どれくらいの収入が見込めるか

次に「収入はどれくらいになるか」という質問。これは本当に人によって違う。

エンジニアの場合、一つの案件で月20万円から50万円くらいが相場。これを2つ3つ持てば、月40万円から150万円くらいになる計算だ。

でも最初からこの金額は難しい。僕も最初の1年は月30万円くらいだった。会社員時代より少なかった。でも2年目以降、徐々に単価を上げていって、今は月60万円くらい安定して稼げている。

大事なのは、焦らないこと。最初から高収入を期待せず、着実に実績を積み上げていく。そうすれば自然と収入は増えていく。

会社員とどちらが良いか

「会社員とパラレルワーカー、どちらが良いか」という質問もよく受ける。これは本当に人による。

会社員の良さは、安定性と福利厚生。毎月決まった給料がもらえて、社会保険も年金も会社が半分負担してくれる。ボーナスもある。これは大きい。

パラレルワーカーの良さは、自由度と収入の上限のなさ。自分の裁量で働けて、頑張れば頑張るほど収入が増える。

僕の考えでは、どちらが良いかは人生のステージによって変わる。若いうちはパラレルワーカーで色々経験して、歳を取ったら安定を求めて会社員に戻るのもあり。逆もあり。

大事なのは、自分が何を優先するか。安定か、自由か、収入か、やりがいか。これを明確にすることだと思う。

失敗したらどうするか

「パラレルワーカーとして失敗したらどうするか」という不安も多い。これは誰もが持つ不安だよね。

正直に言うと、失敗することもある。僕も何度も失敗した。案件が取れなくて収入がゼロになった月もあった。クライアントとトラブルになって契約を切られたこともある。

でも、失敗しても終わりじゃない。また新しい案件を探せばいい。失敗から学んで、次に活かせばいい。

それでもどうしても無理なら、また会社員に戻る選択肢もある。パラレルワーカーとしての経験は、履歴書に書ける立派なキャリアだ。むしろ、自分で仕事を取ってきた経験は、会社からも評価される。

だから、失敗を恐れすぎる必要はない。挑戦する価値は十分にある。

本業との両立はどうするか

「会社員をやりながらパラレルワーカーになれるか」という質問もある。これは可能だけど、条件がある。

まず、会社が副業を認めているか確認する。最近は副業OKの会社も増えているけど、まだ禁止の会社も多い。就業規則を確認して、場合によっては上司に相談する。

次に、本業に支障が出ないようにする。これが一番大事。副業のせいで本業のパフォーマンスが落ちたら、本末転倒だ。

僕がおすすめするのは、平日の夜2時間、週末の土日で合計週20時間くらいを副業に充てる働き方。これなら本業との両立も可能だと思う。

そして副業で月10万円くらい安定して稼げるようになったら、独立を考える。この段階的なアプローチが一番リスクが少ない。

税金と確定申告の現実

パラレルワーカーになると避けて通れないのが、税金と確定申告の問題。これは本当に重要だから、詳しく説明します。

確定申告は絶対に必要

まず大前提として、パラレルワーカーは確定申告が必要になる。副業でも年間20万円以上の所得があれば、確定申告しなきゃいけない。

「所得」というのは、売上から経費を引いた金額。例えば年間100万円の売上があって、経費が30万円なら、所得は70万円。これが20万円を超えているから、確定申告が必要だ。

確定申告をしないと、後で税務署から指摘されて、追加の税金や罰金を払わされることになる。最悪の場合、脱税として刑事罰の対象にもなり得る。だから絶対に確定申告はしてほしい。

青色申告と白色申告の違い

確定申告には、青色申告と白色申告の2種類がある。

白色申告は簡単だけど、税制上のメリットが少ない。青色申告は帳簿をつけるのが面倒だけど、最大65万円の特別控除が受けられる。

僕は青色申告を選んでいる。最初は帳簿が面倒だったけど、会計ソフトを使えば意外と簡単だった。freeeやマネーフォワードクラウドなどの会計ソフトを使えば、銀行口座やクレジットカードを連携して自動で仕訳してくれる。

青色申告の控除を受けるためには、開業届と青色申告承認申請書を税務署に提出する必要がある。これは開業してから2か月以内に出さなきゃいけないから、忘れずに。

経費として計上できるもの

パラレルワーカーにとって、経費の管理は収入に直結する重要なポイントだ。経費を多く計上できれば、その分所得が減って税金が安くなる。

僕が経費として計上しているものを具体的に挙げると、パソコンやモニターなどの機材代、インターネット代、スマホ代の一部、会計ソフトの利用料、仕事用の書籍代、クライアントとの打ち合わせの交通費やカフェ代、コワーキングスペースの利用料。

ただし、プライベートと仕事の両方で使うものは、按分が必要。例えばインターネット代は、仕事で使う割合を7割と見積もって、7割だけを経費にする。

領収書は全部保存しておく。レシートでもOK。僕はスマホで写真を撮って、クラウドに保存している。これで紙の領収書を管理する手間が省ける。

住民税でバレる副業の話

会社員をやりながら副業している人が気にするのが「会社に副業がバレないか」という問題。これは住民税でバレる可能性がある。

住民税は、前年の所得に基づいて計算される。会社員の場合、会社が給料から天引きして納めている。でも副業の所得があると、その分住民税が増える。

すると会社の経理担当者が「この人の住民税、給料の割に高くない?」と気づく可能性がある。これで副業がバレるケースは実際にある。

対策としては、確定申告のときに「住民税を自分で納付」を選択すること。確定申告書の第二表に「自分で納付」という欄があるから、そこにチェックを入れる。すると副業分の住民税は、自宅に納付書が送られてきて、自分で納める形になる。

ただし、これも100パーセント確実じゃない。市区町村によっては、会社に通知されることもある。副業をするなら、できれば会社に正直に話した方が良いと思う。

僕は会社員時代、上司に正直に「副業したいです」と相談した。最初は渋られたけど、「本業に支障は出しません」と約束して、結局許可してもらえた。オープンにする方が、後々トラブルにならない。

パラレルワーカーという働き方は、確かに魅力的だ。収入源の分散、スキルアップ、時間の自由、人脈の広がり。これらのメリットは本当に大きい。

でも同時に、タイムマネジメントの難しさ、過労のリスク、税金の煩雑さ、社会的信用の低さなど、デメリットも無視できない。

僕がこの働き方を5年続けてきて思うのは、パラレルワーカーは誰にでもおすすめできる働き方じゃないということ。向き不向きがはっきりしている。

でも、もしあなたが「一つの会社に依存するリスクが怖い」「色々なことに挑戦したい」「自分の力を試したい」と思っているなら、挑戦する価値は十分にある。

最初は副業から始めて、徐々にステップアップしていく。失敗しても、そこから学ぶ。この姿勢があれば、パラレルワーカーとして成功できると思う。

僕自身、まだまだ試行錯誤の日々だ。でもこの働き方を選んだことを、後悔したことは一度もない。毎日が挑戦で、毎日が学びで、毎日が成長の機会だ。

あなたもパラレルワーカーという働き方に興味があるなら、まずは小さく始めてみてほしい。週末に1つ案件を受けてみる。それだけで、新しい世界が見えてくるはずだ。

この記事が、あなたの背中を少しでも押せたなら嬉しい。

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この記事を書いたエンジニア

中村 真のアバター 中村 真 フルスタックエンジニア

フルスタックとして幅広い開発領域に対応し、前向きで積極的な姿勢が特徴。新しいツールやフレームワークを試すことが好きで、社内で技術共有を行うことも多い。気さくで話しやすく、チームに活力を与えるタイプ。散歩が趣味。

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